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プロでも手続きミス!? やっぱり年金は複雑でした

   2003.7

先日ある法要に伺った時のことですが、多分私より20歳程年配の集団が居られたので、その会話を何気なく聞いていると、“年金”のことで盛り上っていることが分かりました。
何やら「繰り上げ支給を云々」「厚生年金と国民年金云々…」複雑な数字も飛び交っています。
本来FPであれば120%理解していないといけない内容でありましょうが、お話のテンポも速くて些か付いていけないのでした。
先月末「厚生年金の支給ミス」の記事を新聞で読みましたが,年金制度そのものがすごく複雑でありますので、以前から担当している人を”凄いな〜”って思っていたのに…でもやっぱり“人間”のすることだと分かりました。
『物価スライド、振替加算、加給年金、遺族年金、総報酬制、在職老齢年金etc』色々な要素を含んでおり、全体を理解することはすごく難しいことです。
それでなくても、将来自分の年金は幾らなのかということすら判らないのです。

今回は、そんな年金制度のうち、先のニュースや最近の制度改正に関連した@繰り上げ(繰り下げ)支給A振替加算B加給年金C保険料免除制度D物価スライドを取り上げました。
※それぞれの金額、対象年齢等の詳細は省かせていただきます。

今年4月からの大きな改正ポイントとして、厚生年金保険料が総報酬制になりましたが、勤め人の方がそれを実感するのは、この夏の賞与からではないでしょうか。
以前は賞与の1%を労使折半でしたが、今回からは(但し,賞与額150万円を上限として13.58%の折半になりますので、結構な負担増になります。

@  老齢基礎年金の「繰り上げ支給・繰り下げ支給」

65歳からの支給ではなく、繰り上げ支給を本人が希望すると、60〜65歳未満の間で受給が開始できます。
(1ヶ月単位で選択可)

但し、その年金額は65歳からの金額より一生涯減額されますので、結果的に長生きすると年金の総額としては“損”になることが考えられますし、後日障害年金受給を希望するような事態があってもその資格はなくなるケースも考えられますので、誰もが利用してイイ制度ではありません。

また、繰り下げ支給は通常の65歳ではなくて、65歳以上〜70歳まで受給を遅らせることが出来ます。

その際、繰り下げにするか、それとも65歳にさかのぼって通常の年金受給をするかは請求者が自由にできるので、手続きは間違うことなくする必要があります。
繰り下げると増額された支給率(こちらも生涯変わらない)により年金額を計算します。
老齢厚生年金定額部分の段階的引き上げが男性(昭和1642生より)・女性(昭和2142日生より)とも始まることにより、「一部繰り上げ」という制度もあります。

A 振替加算

先のニュースで「振替加算」という言葉が出て来ましたが、196642日以降に生まれた人の老齢基礎年金は、198641日以降に20歳に成るので満額受給できる。
しかし、1966年4月1日以前生まれの場合は旧年金制度下の適用で老齢基礎年金が少ないので、そのために救済措置の必要があったのであります。
それが「振替加算」です。
金額はそれぞれ配偶者の生年月日によって違います。

配偶者加給年金額と振替加算のイメージ図

    

    60歳(特別支給の厚生年金)65歳

部分年金

報酬比例部分

老齢厚生年金

(年齢引上)→   

定額部分

経過的加算

老齢基礎年金

加給年金

 

     65歳

振替加算

老齢基礎年金


B 加給年金

「振替加算」と同じく必ずしも全員を対象にしていない制度であります。
厚生年金に20(例外あり)以上加入した人が老齢厚生年金受給権を取得した時点で、生計維持関係にある配偶者や子がいる場合に支給される年金。
配偶者が65歳になると失権するが、「振替加算」として配偶者自身の年金に加算される。

【年金上の言葉】

「配偶者」… 「配偶者」=妻ではない。妻から見て夫は「配偶者」であります。内縁の夫婦も含めて「配偶者」として理解する。

「子」…「子」は法律上の子である必要がある。結婚(内縁を含む)していない18歳になった以降の331日までを「子」という。障害者で未婚の人は、20歳に達するまで「子」とする。

C  保険料免除制度

基礎年金(国民年金)は、給与天引きされている方には負担感は感じられないかもしれませんが、自営業の人などが支払う月額1万3300/は所得に関係無く一律ですから、昨今のように景気が悪い時には結構負担感が強くなるものです。
そんな時にせめて半分だけでも払うための制度です。(所得制限等があります)区役所や市役所の窓口に申込書を提出して、認められると半額免除です。10年以内の追納可)
半額免除を受けた期間は、年金額の計算上、通常の3分の2と計算します。
国民年金の3分の1は国庫負担ですので、その半分の3分の1を加えて3分の2になる訳です。
国民年金未納付でいた場合、障害基礎年金・遺族基礎年金が受け取れないケースがでてきますので、年金は老後のことだけではないことを注意する必要があります。

基礎年金の計算式

         保険料を納めた月数
797,000円× 加入可能月数  =老齢基礎年金

全額免除期間は通常の期間の1/3、半額免除期間は2/3として計算する。

国民年金の被保険者に該当する学生には、別に保険料の納付が猶予される「学生納付特例」制度があります。

D  物価スライド

消費者物価指数の下落により平成15年度より公的年金も引き下げられています。
(例えば、上記の満額老齢基礎年金は、昨年度までは804,200円でした!)

今後は従来のモデル世帯も「サラリーマン
+専業主婦」から「サラリーマン+働く妻」になり、年金保険料を負担する人を増やしつつ、1人当りの給付金額を減らすような気配です。
また、「若い世代の人口減」から年金財政を税金に頼ろうとする意見があり、消費税10%論議などは2004年の次期年金改正に向けての作業をしている様にも思えます。

小泉首相は「在任中は消費税を上げない!」そうですから、負担する保険料は上げるつもりなのかな?
『それが嫌だったら、消費税を上げるしかないじゃないですか…』(小泉節調でお読み下さい)

 
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